JR福知山線脱線事故遺族の大森でございます。「組織罰を実現する会」の代表を務めさせていただきます。
現代社会は「法人」すなわち「組織」の事業活動によって支えられていますが、この事業活動によって発生する大事故が,繰り返されています。現在の日本では、どんなに大きな事故を起こしても、「組織」の刑事責任を問うことはできません。
刑法に「組織を罰する法律」がないからです。
事故によって、尊い命が奪われたにもかかわらず、誰も責任を取らないということでは、遺族は納得できません。
誰も責任を取らない無責任社会を変えて、本当に安全な社会を実現するために「組織を罰する法律」すなわち「組織罰」が必要と考え、「組織罰を実現する会」を立ち上げました。
組織を罰する法律はアメリカ・イギリス・フランス・ドイツなどの諸国にはすでに存在します。
これが実現すれば、会社の決定権を持った経営幹部の責任を問い、プレッシャーを与えることが可能となり、組織は根本から変革され、「組織事故の再発防止や抑止力」となって、本当に安全な社会が実現できると強く思っています。
以上、よろしくお願いいたします。
「組織罰を実現する会」の副代表を務めている松本です。
私は、2012年12月に起こった、中央自動車道笹子トンネル天井板崩落事故の遺族です。事故では、28歳の私の娘を含む9名の命が奪われました。ネクスコ中日本という、もと日本道路公団の民営化された会社が営利第一主義に走り、適切な点検・補修を怠ったために、建設後40年近く経ち老朽化した重い天井板の劣化を見過ごして、重大な事故を引き起こしたのです。組織や経営 者が、甚大な被害を生じさせた重大事故を引き起こしても、何ら責任を問われないままでは、日本の重大事故はなくなりません。事故の再発防止・未然防止を図るために、徹底した事故調査による原因究明とともに、組織の過失責任、ひいては経営者の責任を刑法で追及する仕組みを創設する必要があります。
私たち遺族と同じ無念さや悲しみを味わう人がなくなるよう活動していく決意です。ご理解ご支援のほどよろしくお願いいたします。
「組織罰を実現する会」の事務局を担当することになりました。
私は、弁護士として、法律家の果たすべき役割を常に考えています。
JR福知山線事故をはじめ、いくつかの事故遺族の方々と接してきて、法の不備を感じることがしばしばありました。
「大きな組織であるがゆえの過ちであるのに、組織だから罰されない」というのは、シンプルに考えれば、やはりおかしいのです。
法の不備を正し、時代に即した法制度をつくり社会の発展に寄与することが法律家の役目です。
これまで「事故調査」について、大きな進歩がありました。今後も事故の原因を究明するための事故調査の充実は不可欠です。
こうした原因究明と両輪をなすものとして、責任の所在を明確にすることが求められています。
「組織罰を実現する会」のめざす目標はシンプルです。
再発防止に役立ち、遺族をはじめ社会が納得できる「組織への刑罰」を実現することにほかなりません。
***組織罰を実現する会のメンバー***
【顧問】 安部誠治 郷原信郎 柳田邦男 安原浩(故人)
【コアメンバー】 藤崎光子 田原義則 渡邊勝徳 森和之 石川信一 上田弘志 上田篤史 岩上剛 中島正人
【事務局】 津久井進 坂本哲