■会の目的
2005年4月25日午前9時18分、JR西日本福知山線列車事故が発生し、多くの尊い命が奪われました。
事故現場のカーブ付替工事が行われた当時の安全担当役員や、歴代3社長の刑事責任が問われましたが、無罪判決が
言い渡され、誰の責任も問われていません。
今の日本では、どんな大きな事故を起こしても、法人の刑事責任が問われることはありません。
刑法に法人を罰する仕組みがないからです。
しかし、現代社会は法人(組織)の活動によって支えられています。
時代の進展に伴って、組織の活動は、より大規模に、より複雑に、より影響力が大きくなっています。
そして、東京電力福島第一原子力発電所事故や笹子トンネル天井板崩落事故など、組織の事業活動において発生する
大事故が、今も繰り返されています。
事故によって、かけがえのない命が奪われたにもかかわらず、誰も責任を取らないということでは、遺族は納得できません。
二度と同じ悲劇が繰り返されないよう、きちんと組織の責任を問う仕組みを作ることが必要です。
それが、被害者の命を重んじることだと思います。
わたしたちは、刑事裁判に立ち会って、司法の実務に多くの問題があることを知りました。
これを正していくことも重要だと思います。
そこで、わたしたちは、次の3つの目的をめざして組織罰を実現する会を創設しました。
第1 死亡事故を起こした組織を処罰する法律を創設すること
第2 誰もが納得できる刑事司法となるよう現在の実務を見直すこと
第3 そうすることによって安全な社会のシステムを確立すること
■組織概要
団体名:組織罰を実現する会
代表:大森重美(JR福知山線列車事故遺族)
副代表:松本邦夫(笹子トンネル天井板崩落事故遺族)
事務局:津久井進(弁護士)
顧問:安部誠治,郷原信郎,安原浩,柳田邦男(五十音順)
連絡先:兵庫県西宮市甲風園1丁目8番1号ゆとり生活館AMIS 5階
弁護士法人芦屋西宮市民法律事務所内
■設立経緯
組織罰を実現する会は、JR西日本福知山線列車事故がきっかけとなって設立されました。これまでの刑事処罰に関する
経緯は以下のとおりです。その間に、福島第一原子力発電所事故、笹子トンネル天井板崩落事故等の大事故が発生しました。
2005年4月25日 JR西日本福知山線列車事故が発生
2009年7月8日 神戸地検がJR西日本の元安全担当役員を起訴
2010年4月23日 指定弁護士がJR西日本の歴代三社長を起訴
2011年3月11日 福島第一原子力発電所事故が発生
2012年1月11日 神戸地裁が元安全担当役員に無罪判決
2012年12月2日 笹子トンネル天井板崩落事故が発生
2013年9月27日 神戸地裁がJR西日本の歴代三社長に無罪判決
2014年3月1日 「組織罰を考える勉強会」の発足
2016年1月15日 軽井沢スキーバス転落事故が発生
2016年2月29日 指定弁護士が東京電力元幹部3人を起訴
2016年4月23日 「組織罰を実現する会」の発足
■組織罰を実現する会の活動予定
1 外部講師による学習、内部の勉強、意見交換
2 発信活動(講演、メディア経由、意見表明、HP活用、冊子発行等)
3 社会への呼び掛け(署名、小規模ミーティング、シンポジウム開催等)
4 他の事故遺族・事故被害者との情報交換
5 立法に向けた要請活動(関係省庁、議員、行政委員会委員等)
6 会員・賛同者の増員
7 その他
■会の立ち位置
わたしたちの活動は、政治的に中立です。
わたしたちの活動は、特定の運動団体と連携するものではありません。