04
活動内容
組織罰を実現する会の活動内容
1
外部講師を招いた学習、部内勉強会の開催、意見交換
2
発信活動(講演会の開催、メディアへの発信、意見表明、冊子類の発行等)
3
社会への呼び掛け(署名、小規模ミーティング、シンポジウム開催等)
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他の事故遺族・事故被害者との交流・情報交換
5
立法に向けた要請活動(関係省庁、議員、行政委員会委員等)
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会員・賛同者の拡大
7
その他
わたしたちについて
01
活動の目的
会の目的
2005年4月25日、JR西日本の福知山線で列車の脱線事故が発生し、多くの尊い命が奪われました。
1997年の東西線開業にあたって、尼崎駅との接続のために線形変更が行われ、事故現場付近は急カーブとなりました。この事故では、工事が行われた当時の安全担当役員や、JR西日本の歴代3社長の刑事責任が問われましたが、無罪判決が言い渡され、誰の責任も問われていません。
今の日本では、どんな大きな事故を起こしても、法人の刑事責任が問われることはありません。
刑法に法人を罰する仕組みがないからです。
現代社会は法人(組織)の活動によって支えられています。時代の進歩とともに、組織の活動は、より大規模になり、その社会への影響力もますます大きくなっています。東京電力福島第一原子力発電所事故や笹子トンネル天井板崩落事故など、組織の事業活動に伴って発生する事故も後を絶ちません。
事故によって、かけがえのない命が奪われたにもかかわらず、事故を起こした側の誰も責任を問われないということでは、遺族は納得できません。
二度と同じような悲劇が繰り返されないよう、組織の責任を問う仕組みを作ることが必要です。それが、被害者の命を重んじることだと思います。
わたしたちは、刑事裁判に立ち会って、司法の実務に多くの問題があることを知りました。これを正していくことも重要だと思います。
そこで、わたしたちは、次の3つの目標を掲げて組織罰を実現する会を創設しました。
死亡事故を起こした組織を処罰する法律を創設すること
誰もが納得できる刑事司法となるよう現在の実務を見直すこと
そうすることによって安全な社会のシステムを確立すること
死亡事故を起こした組織を処罰する法律を創設すること
誰もが納得できる刑事司法となるよう現在の実務を見直すこと
そうすることによって安全な社会のシステムを確立すること
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設立経緯
設立経緯
組織罰を実現する会は、福知山線列車脱線事故が契機となって設立されました。
これまでの経緯は以下のとおりです。
2005年4月25日 | 福知山線列脱線車事故が発生 |
2009年7月8日 | 神戸地検がJR西日本の元安全担当役員を起訴 |
2010年4月23日 | 指定弁護士がJR西日本の歴代三社長を起訴 |
2011年3月11日 | 福島第一原子力発電所事故が発生 |
2012年1月11日 | 神戸地裁が元安全担当役員に無罪判決 |
2012年12月2日 | 笹子トンネル天井板崩落事故が発生 |
2013年9月27日 | 神戸地裁がJR西日本の歴代三社長に無罪判決 |
2014年3月1日 | 「組織罰を考える勉強会」の発足 |
2016年1月15日 | 軽井沢スキーバス転落事故が発生 |
2016年2月29日 | 指定弁護士が東京電力元幹部3人を起訴 |
2016年4月23日 | 「組織罰を実現する会」の発足 |
03
組織概要
組織概要
団体名 | 組織罰を実現する会 |
代表 | 大森重美(JR福知山線列車事故遺族) |
副代表 | 松本邦夫(笹子トンネル天井板崩落事故遺族) |
事務局 | 津久井進(弁護士) |
顧問 | 安原浩(故人、2024年逝去)、安部誠治(関西大学名誉教授)、郷原信郎(弁護士)、柳田邦男(ノンフィクション作家) |
連絡先 | 兵庫県西宮市甲風園1丁目8番1号ゆとり生活館AMIS 5階 弁護士法人芦屋西宮市民法律事務所内 |
会の立ち位置
組織罰を実現する会は、福知山線列車脱線事故が契機となって設立されました。
これまでの経緯は以下のとおりです。
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活動内容
組織罰を実現する会の活動内容
1
外部講師を招いた学習、部内勉強会の開催、意見交換
2
発信活動(講演会の開催、メディアへの発信、意見表明、冊子類の発行等)
3
社会への呼び掛け(署名、小規模ミーティング、シンポジウム開催等)
4
他の事故遺族・事故被害者との交流・情報交換
5
立法に向けた要請活動(関係省庁、議員、行政委員会委員等)
6
会員・賛同者の拡大
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その他
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メンバー
代表
大森 重美
JR福知山線脱線事故遺族の大森でございます。「組織罰を実現する会」の代表を務めさせていただきます。
現代社会は「法人」すなわち「組織」の事業活動によって支えられていますが、この事業活動によって発生する大事故が,繰り返されています。現在の日本では、どんなに大きな事故を起こしても、「組織」の刑事責任を問うことはできません。
刑法に「組織を罰する法律」がないからです。
事故によって、尊い命が奪われたにもかかわらず、誰も責任を取らないということでは、遺族は納得できません。
誰も責任を取らない無責任社会を変えて、本当に安全な社会を実現するために「組織を罰する法律」すなわち「組織罰」が必要と考え、「組織罰を実現する会」を立ち上げました。
組織を罰する法律はアメリカ・イギリス・フランス・ドイツなどの諸国にはすでに存在します。
これが実現すれば、会社の決定権を持った経営幹部の責任を問い、プレッシャーを与えることが可能となり、組織は根本から変革され、「組織事故の再発防止や抑止力」となって、本当に安全な社会が実現できると強く思っています。
副代表
松本 邦夫
「組織罰を実現する会」の副代表を務めている松本です。
私は、2012年12月に起こった、中央自動車道笹子トンネル天井板崩落事故の遺族です。事故では、28歳の私の娘を含む9名の命が奪われました。
ネクスコ中日本という、もと日本道路公団の民営化された会社が営利第一主義に走り、適切な点検・補修を怠ったために、建設後40年近く経ち老朽化した重い天井板の劣化を見過ごして、重大な事故を引き起こしたのです。
組織や経営者が、甚大な被害を生じさせた重大事故を引き起こしても、何ら責任を問われないままでは、日本の重大事故はなくなりません。事故の再発防止・未然防止を図るために、徹底した事故調査による原因究明とともに、組織の過失責任、ひいては経営者の責任を刑法で追及する仕組みを創設する必要があります。
私たち遺族と同じ無念さや悲しみを味わう人がなくなるよう活動していく決意です。ご理解ご支援のほどよろしくお願いいたします。
事務局
津久井 進
「組織罰を実現する会」の事務局を担当することになりました。
私は、弁護士として、法律家の果たすべき役割を常に考えています。
JR福知山線事故をはじめ、いくつかの事故遺族の方々と接してきて、法の不備を感じることがしばしばありました。
「大きな組織であるがゆえの過ちであるのに、組織だから罰されない」というのは、シンプルに考えれば、やはりおかしいのです。
法の不備を正し、時代に即した法制度をつくり社会の発展に寄与することが法律家の役目です。
これまで「事故調査」について、大きな進歩がありました。今後も事故の原因を究明するための事故調査の充実は不可欠です。
こうした原因究明と両輪をなすものとして、責任の所在を明確にすることが求められています。
「組織罰を実現する会」のめざす目標はシンプルです。
再発防止に役立ち、遺族をはじめ社会が納得できる「組織への刑罰」を実現することにほかなりません。
***組織罰を実現する会のメンバー***
【顧問】
安部誠治 郷原信郎 柳田邦男 安原浩(故人)
【コアメンバー】
藤崎光子 田原義則 渡邊勝徳 森和之 石川信一 上田弘志 上田篤史 岩上剛 中島正人
【事務局】
津久井進 坂本哲
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代表からのメッセージ
代表・大森重美の思い
JR福知山線列車脱線事故に関わる裁判では刑事責任が問われましたが、元社長は無罪(確定)、そして歴代3社長も、一審判決では無罪となっています。
これだけの大事故であっても、経営幹部の責任は誰にも問えていないという現実があります。福知山線事故は、多くの要因が絡み合って発生した、大規模な組織事故です。そうした要因を生んだ組織の責任部署は、多方面に分散しています。
JRのみならず、会社機構はますます巨大化しており、他の業種でも、福島第一原発事故のように多くの部署にまたがる組織事故が増えています。