知床の観光船沈没事故から考える“責任者への刑事罰”と“組織罰”

YAHOO!Japanニュースに、5月10日のABEMA NEWSで放送された内容が掲載されました(5月11日付)。
タイトルは、以下のとおりです。

「個人の責任追及は容易ではない…」知床の観光船沈没事故から考える“責任者への刑事罰”と“組織罰”の問題

番組で討論に参加した方々のコメントの要点がまとめられています。

メインゲストの郷原信郎弁護士(当会の顧問)は、

「重大事故については色々な問題が重なり、個人としてはどうしようもない部分が多い。福知山線の脱線事故もそうで、社長の刑事責任を問われたのは、事故の8年前にATSを設置したかどうかという、悲惨な事故の場面とは関係ないところだった。  そこで個人に限定するのではなく、その背景にある企業や事業者の安全管理のあり方、あるいは、その中心にいる代表者の処罰に目を向けることができないか、ということだ。それも、どこまでしっかり安全管理をしていたかを評価するシステムに転換することができないか、というのが提唱している制度だ。」

と語っています。

他のコメンテーターから、「厳罰化になると事実を隠す方向で組織が動く」「誰を罰するかという議論のために安全が軽視される」と疑問が呈されましたが、これに対して、郷原弁護士は、

「個人の処罰になると、その個人は絶対に隠そうとする。その点、提唱している制度では、背後にいる事業者や代表者を重視すし、“自分たちはここまでしっかり安全管理をやっていた、でも事故が起きた”と立証すれば免責しようというものだ。それが事故発生のプロセスを明らかにすることにも繋がる」

という本質論を説明しました。

このYAHOO!ニュースには、コメント欄で多くの方々から意見が寄せられています。
参考になるコメントも少なくありません。
出演した郷原弁護士ご自身のコメントもあります。

ぜひご一読いただきたいと思います。

今回のYAHOO!ニュースは→こちらです。

郷原弁護士の補充説明も含めたコメント欄は→こちらです