日本では、企業など組織がどんなに大きな事故を起こしても、その刑事責任は問われない。現在の刑事司法制度では、刑法に「組織」を罰する条文がないため、責任の所在が多くの部署に分散する組織が引き起こした事故を裁くことには限界がある。事故によって、尊い命が奪われたにもかかわらず、誰も法的な責任を課せられないということでは、遺族は納得できない。本書は、誰も責任を取らない無責任社会を変え、本当に安全な社会を実現するために「組織を罰する法律」(「組織罰」)の必要性を訴えるものである。現行法の限界を分析し、組織罰の具体的なイメージと実現への展望を提言するはじめての書。(※現代人文社の紹介文より引用)
(詳しくは→ http://www.genjin.jp/book/b580733.html )
【目次】
はじめに………大森重美
第1章 組織事故と安全な社会
事故のない安全な社会をめざして………大森重美
組織事故としての福知山線事故………安部誠治
第2章 事故遺族の願い
[JR福知山線事故]事故を忘れないためにJR西日本を見続ける………渡邉勝徳
[笹子トンネル天井板崩落事故]インフラ老朽化への無策の果てに………松本邦夫・松本和代
[軽井沢スキーバス事故]あの日から………田原義則
被害者らの共通した想い………坂本哲
第3章 組織罰とは何か
Q&A組織罰とは何でしょうか……… 安原浩
諸外国の動向から見た日本の法人処罰(組織罰)………川崎友巳
諸外国の法人処罰(組織罰)一覧
第4章 組織罰の実現のために
「両罰規定の導入」による組織罰実現の社会的意義………郷原信郎
組織罰の実現への軌跡とこれから………津久井進
おわりに………松本邦夫
写真はラジオ関西の記事「ラジトピ」より引用しました→https://jocr.jp/raditopi/2021/04/23/288487/